埋め合わせでは覆せない?! すでに与えてしまった悪い第一印象を挽回するための鍵は『再解釈』!

すでに与えてしまった悪い印象を挽回するには、悪印象を形成するに至ったエピソードそのものに別の解釈を与えることが有効だそうです。Cornell University (コーネル大学) の Thomas Mann (トーマス・マン) と Melissa Ferguson (メリッサ・ファーガソン) の研究によると、悪印象を埋め合わせようと、別の良いエピソードを伝えても悪印象を覆すことは難しいようです。悪印象を形成するに至ったエピソードそのものが、詳細を知れば実は共感・納得できるようなものである場合、詳細を伝えることができれば悪印象を覆して良い印象に変えることができるようです。

第一印象を良いものにすることは難しいですよね。
良いものするどころか、時として悪い第一印象を
与えてしまうことがあるかもしれません。

すでに与えてしまった悪い印象を
挽回するにはどうしたら良いのでしょうか。

ぱっと思いつく方法の一つは、
良い印象の形成につながる様なことを行い、
バランスをとって悪印象を打ち消すことでしょうか。

バランスをとって悪印象を打ち消すというのは
端的に言えば埋め合わせ作戦です。

2015年に発表された研究によると
どうやら埋め合わせ作戦で悪い第一印象は覆すことは困難なようです。

The secret to overturning negative first impressions
(意訳: 悪い第一印象を覆すための秘密の方法)
では Cornell University (コーネル大学) の
Thomas Mann (トーマス・マン) と
Melissa Ferguson (メリッサ・ファーガソン) の研究
Can we undo our first impressions? The role of reinterpretation in reversing implicit evaluations.
(意訳: 第一印象をなかったことにできるのだろうか? 無意識的に下した評価を覆すときの『再評価』の役割)
に基づいて、悪い第一印象を覆すには
再評価』が鍵になることが紹介されています。

埋め合わせは通用しない

実験では
「Francis (フランシス) という人物は
隣人の家に侵入して大切なものを持って逃げた」
などの様に被験者に伝えます。

この時点で、フランシスは泥棒であるなど
暗黙に悪い第一印象が形成されます。

その後、
「電車にひかれて死ぬ所だった子供を
フランシスは身の危険を顧みずに救った」
というエピソードを伝えます。

しかし、悪い第一印象を払拭することはできなかったとしています。

それだけでなく、
「フランシスは警察に逮捕されたが
それは事実無根の誤認逮捕であった」
というエピソードを伝えた場合であっても
悪い第一印象が残ったそうです。

誤認逮捕であれば、印象は少なくとも
ニュートラルにはなって欲しいところです。
しかし、そうはならず、少なからず嫌悪感が残るようです。

これは暗黙に下された印象の評価を
覆すことの難しさを示す例と言えましょう。

『再解釈』

第一印象を覆すために別の条件でも実験されました。

「Francis (フランシス) という人物は
隣人の家に侵入して大切なものを持って逃げた」
という最初のエピソードに対して

より詳細な事実として
「隣人の家はそのとき火事であり、
大切なものとは逃げ後れた子供であり、
フランシスは燃えさかる隣家に飛びこんで
逃げ後れたその子供を抱えて逃げたのだ」
という新しい情報を追加したところ
悪い第一印象は覆り、良い印象に変化したということです。

悪い第一印象を形成するに至ったエピソードであっても、
それが共感でき、良い解釈ができるエピソード
として再解釈できる
ものであるならば、悪い第一印象を覆して
良い印象に変えることができたということです。

『再解釈』には余裕が必要

実験では、再解釈によって
悪い第一印象を覆すことが可能でした。

しかし、再解釈の際に 8桁の数字を覚えることを
被験者に課した場合では、悪い第一印象を
覆すことができなかった
といいます。

マジックナンバー 7 などと表現されるように、
人間の短期記憶は無意味なことを 7±2 個程度
しか覚えていられないという見方があります。

8桁の数字を覚えるという状況は、脳の短期記憶に
大きな負荷がかかっている状況と考えられます。
ですから、忙しいときの人の脳には『再解釈』
による印象の再形成は起こり難い
と想像できます。

まとめ

以下のようにまとめられそうです。

  1. 一度与えてしまった悪い第一印象を、その後の埋め合わせ的な行動で覆すことは難しい
  2. 悪い第一印象を形成するに至ったエピソードそのものが、その詳細を知ることで共感・納得できるようなものならば、『再解釈』によって悪い第一印象を覆して良い印象に変えることができる
  3. ただし、再解釈には (少なくとも脳の短期記憶に) 余裕がある状況が必要な可能性がある。

これを踏まえると、例えば
『変人』
と言われた時には
「確かに変人かもしれないが、
こんな素晴らしい側面もあります」
ではなく
「変人だとしても、
より正確に表現すると『変革の人』です」
と切り返すの方が有効ということでしょうか。

おまけ

誤認逮捕のエピソードを加えた場合のように、
悪い第一印象を形成するに至ったエピソードが
事実無根であったとしても、共感・納得が
得られなければ嫌悪感が残ります。
それに対して、火事場での子供救出のように、
ニュートラルどころか評価が180度変わるような
新事実であっても、共感・納得が得られれば
悪印象も容易に覆って好印象になるということを、
興味深く感じました。

人の脳には扁桃体という感情を司る部位があると言います。
扁桃体は記憶を司ると言われる海馬という部位と繋がっています。

快適な状況を心地よく感じ、危険な状況に嫌悪を感じる。
そのように感じる事ができれば生存に有利です。
原始時代であれば特に。
また、危険を避け、できるだけ快適な状況を求めるには
それを記憶する必要性があります。
蛇にかまれて嫌だったということを覚えておけなければ、
何度も同じ危険をおかして失敗し、しまいには死んでしまうかもしれません。
扁桃体と海馬はこのような状況に基本的にうまく対処します。

生存を第一に考えれば、好き嫌いの根拠が
完膚なきまでに正確である必要はないはずです。
無限の資源があるわけではないので、なんでもかんでも
正確になるまでコストとリスクを払うことはできません。
しかし、社会性を持って他者と協調するためには
あまり事実に反する好き嫌いをすることもリスクがあります。
自分が事実に反する形で悪印象をもたれた場合、
それを覆せなければ、最悪は社会から排除されて
(原始時代であれば特に) 死ぬ恐れもあります。

正確に判断する過程で支払えるコストとリスクと、
他者と協調するという社会性の利点を維持するための妥協点が、
共感によって定まるのではという考え方がわいてきます。

共感の重要な要素の一つとして、
他人の痛みを自分の痛みとして感じることだ
という考え方があります。
共感できれば第一印象を覆せるというのは、
類似性の高い仲間に対しては (自分の痛みという) 問題を
解決するためにコストとリスクを払えるけれども、
異質性が高い部外者に対しては (自分の痛みがないので)
そもそも解決すべき問題がなく、コストとリスクを
払う必要性を感じるのが難しいということに繋がりそうです。

最後に、共感がコミュニケーションの鍵の一つであって、
かつ、共感とは何かという研究が進んで行く仮定して、
あくまでも想像の世界ですが・・・

共感に基づく、人間がコミュニケーションで解決できる問題の限界点、
あるいは問題解決のためのコミュニケーションのコストとリスクについて、
発見や目安が得られるようになるかもしれません。
例えば、人間には困難だけれど (社会性はあるけれど、人間と
同一の共感は持たない?) アリなら楽勝に解ける問題があるとか。

また、感情の無い知性的なものを人工的に創出できれば、
共感がボトルネックになっている問題を解決できるようになるかもしれません。
理解不能ではないけれど、まったく共感できない知性的なものに対して、
人間が不気味さを感じてなかなか活用しきれない気がしますが。

人間のコミュニケーションの本質的に重要な部分に共感があるとすれば、
納得や行動等の観点から、人間が問題とその解を受け入れ可能か否かという点で
人間社会にとって解決できる問題とできない問題の分類が可能かもしれません。
そうすると、P≠NP予想という計算複雑性のようなものだけでなく、
(不変の真理ではなく、行動心理学的なものではありますが)
共感可能(≒受け入れ可能)か共感不能(≒受け入れ不能)という
ものが数理モデルで分類できて社会的な価値を持つかもしれません。

お問い合わせについて

業務として技術コンサルティングやシステム設計・開発を行っております。
気になることがありましたらご相談下さい。
ご相談のみで完結する場合、コンサルティング費用の目安は
内容によりますが1時間で5千円〜1万円ていどです。
コンサルティングや開発を検討されるその前に、
まずはお気軽にコメントやメールでご連絡下さい。
ご契約前のコメントやメールでのやりとりは無料です。

お問い合わせフォーム

お急ぎの場合など、ただちに業務対応が必要な場合は、こちらのお問い合わせフォームをご利用ください。かきしちカンパニーお客様窓口が直ちに対応いたします。
※窓口へのお問い合わせ、お見積もりは無料です。


お名前 (必須)

メールアドレス (必須)

題名

メッセージ本文 (必須)

Share

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*