量子ドット太陽電池とアルミニウムイオン電池…省エネやダイヤが無価値になる日

量子ドット太陽電池は太陽光のエネルギーの変換効率が75〜80%に達する可能性があるといいます。また、アルミニウムイオン電池は7500サイクルもの充放電を達成したといいます。何十年か先には技術の進歩がエネルギー問題を解決する日がくるのでしょうか。もしエネルギーが有り余るほどあれば省エネの価値は薄れ、ただ同然で高温高圧環境を作ることでダイヤを量産できるなど、現在とは考え方や価値観がいくらか変わってくるかもしれません。

核融合反応で太陽が光輝き、
その光を太陽電池が受けると
電力 (電位差) が生まれます。

太陽光でなくても所定の波長、
エネルギーを持つ光を受けているときに、
電池として機能するのが太陽電池です。

アルミニウムイオン電池

太陽電池は、その特性から天気の影響を受けます。
また、日が暮れると機能しません。

曇天では電車が動かないとか、日が暮れたら
電気を使わないというのもちょっと不便です。
太陽電池を広く使うことを考えるには、
天気や時間帯の影響を緩和し、ある程度
安定して電気を使うための工夫が必要です。

例えば、巨大な充電池を用意するという考え方があります。

沢山の電気を蓄えられ、繰り返し充放電できて、
しかも省スペースな充電池となると、昨今では
リチウムなどの稀少な金属を使います。
資源の希少性ゆえ、どんなにお金があっても
これを広く大量に使うことは困難です。

この点について、近年、アルミニウムイオン電池に
可能性が出てきているようです。
An ultrafast rechargeable aluminium-ion battery

地球の地殻中にある資源として一番豊富なのは酸素で、
そこにシリコン、アルミニウムと続きます。

これまでに開発されたアルミニウムイオン電池は100サイクル、
リチウムイオン電池は1000サイクルほどの充放電で寿命でした。
スタンフォード大学の研究によって、
アルミニウムイオン電池の充放電サイクルが
7500回に達したということなので、可能性が出てきています。

リチウムイオン電池と比べると性能はまだまだですが
数年か数十年先には良いものができるかもしれません。

もし非常に性能の高いアルミニウムイオン電池ができれば
充電池を大量に作ることが可能になります。
そうなると、太陽電池である程度安定的に
電気を使えるようになるかもしれません。

太陽電池の効率

太陽電池には様々な種類があります。
よくあるのはシリコン系でしょうか。

シリコンとは地球の地殻中にある
酸素についで豊富な資源です。
その点で言えば、太陽電池は
基本的にはありふれた素材で構成されており、
広く利用できる可能性があります。

これまでのシリコン系太陽電池は
理論的な変換効率が30%くらいでしたが、
量子ドット太陽電池では75%〜80%に
なると予想されているそうです。

つまり、より広い波長、弱い光であっても
電力に変換するための仕組みや工夫が研究されています。

また、壁材やガラス材として利用できるような
有機系太陽電池の研究もあり、
その効率も20%とシリコン系に近づいていると言います。

建物全体を太陽電池で覆って良いかどうかまでは
分かりませんが、仮にそこまで徹底するのであれば、
一般家庭の消費電力の大半をまかなえる環境も広がりそうです。

省エネが無意味になる日

太陽がある限り安定的に多くのエネルギーをまかなえる…
もしかしたら、無尽蔵とも言えるエネルギーがある…
そんな時代がくるのかもしれません。

エネルギーが有り余り、それを貯められるとなると
世界のルールがいくらか変わってきます。

まず、省エネの価値は大きく下落します。
節約より、有り余るエネルギーの活用という方向で
これまでにない新しいアイデアが必要になってきます。

エネルギー的にはタダ同然で高温や高圧を作り出せます。
冷暖房使い放題というようなレベルではなく、
ダイヤモンド作り放題、天気制御し放題
ということも考えられます。

エネルギーの貴重さをその価値の根源に持つものは
ことごとく価値が薄れて行きます。
逆にエネルギーを理由に不可能であったことは
ことごとく可能になって行きます。

今のところ、エネルギー消費量が多いほど
おおむね豊かな生活となっています。
もし、自然エネルギーや再生可能エネルギーによって
十分以上にエネルギーをまかなえるようになるとすれば、
現在の経済、価値観、国家間の関係にも影響があることでしょう。

天然痘の根絶のように、いつか、エネルギーに関して
絶対的貧困を征服できるくらいになると素晴らしいなと思います。

200〜300年スパン

太陽電池の原理が発見されたのは1839年です。
太陽電池で変換効率6%が示されたのが1954年です。

ボルタ電池 (一次電池) の発明が1800年で、
ニッケル・カドミウム蓄電池 (二次電池) の発明が1899年です。
そして、アルミニウムイオン電池は数十年にわたる研究から
稀少な金属を使わない高性能な充電池の可能性に行き着いています。

仮に数十年後、太陽電池とアルミニウムイオン電池が
エネルギー問題への一つの方策になるとするならば
基礎研究や気付きから200〜300年を経て
一つの大きな成果としてまとまることになります。

世界初の家電はおそらく電灯で、
商品化はエジソンの白熱電球が1880年10月です。
日本で家庭の電化が進んだのは戦後で、
白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫が三種の神器と
呼ばれたのが1950年代中頃です。
1800年や1839年には家庭の電化が始まっていないというか、
家電という概念が無い時代だったのではないかと思います。

ガルバーニの蛙の脚の実験というものがあります。
2種類の異なる金属で出来たメスを使ってカエルを解剖していたところ、
カエルの筋肉が震えることを発見したというものです。
その時は電気ウナギのように、生物の中に蓄えられれた
電気 (動物電気) による作用と推論されていました。
ボルタ電池の以前のお話です。

ボルタはその点に関して別の推論を持ち、
それを確かめるためにボルタ電池を発明しました。
ボルタ電池が発明されることで、
定常的な電気が得られるようになり、
電気の研究が進んだといいます。

電気の研究が進んで電信が使われるようになり、
電灯や家電、現代のハイテク電子機器が生まれました。

「その研究は何の役に立つのですか?」
という質問への小柴博士の応えは
「まったく役立たない」
でした。

下敷きをこすって髪の毛を逆立てるようなことを
解明し続けても、多分、将来まったく役に立たない。
しかし、200〜300年後に社会がいっぺんすることもある。
それはやってみないと誰にも分からない。

こう見てみると、太陽電池やバッテリーは
大いに役に立つ幸いなケースなのかもしれないなと思いました。

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