絶滅危惧言語とプログラミング言語

現在、世界には約6000の言語がありますが、22世紀はじめには、現存する言語の半数にあたる3000が失われると予測されています。

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それとは逆に、プログラミング言語はなかなか無くなりません。

古いプログラミング言語がなくならない理由

異なる言語の翻訳では、ちょうど対になるものがないことがあります。
それは、自然言語にはその話される文化に特有の概念をあらわす語彙があり、多様な文化には重ならない部分があることを示しています。他の文化にはない唯一無二のものが人知れず失われるということは人類の文化、哲学、精神、知恵といったものが減退することをも意味します。
極端な例として、殆ど全ての人類に『親切』という概念がないとします。しかし、文字も無く、わずか1000人ばかりが話す言語には『親切』という概念があるとします。言語が認識に重要な役割を果たしているという研究がありますから、もしも、この概念が広く知られることがないまま失われてしまえば、人類が『親切』を獲得する機会が失われてしまう恐れさえあるわけです。

片やプログラミング言語は、アイデアをロジカルに表現するための人工言語です。しばしばアイデアを表現するための新しい概念 (パラダイム) が追加されますが、抽象的なところでは数学、具象的なところでは現実の問題のエレガントな理解方法といった感じがします。
つまり、プログラミング言語が幾つか消えても数学が消えるわけではないので、人類の文化レベルでは本質的な損失はなさそうです。逆に、プログラミング言語の道具という側面からは、セキュリティや道具としての経済性という観点から、古びたものを使い続けるのが望ましくない場合もあります。
けれども、すでに現実の問題に旨く対処してる、古い言語で書かれたプログラムが沢山あります。それらが手放しがたい資産になってしまっているために、望ましいか否かに関わらず、古いプログラミング言語はなくならないのです。

というわけで、自然言語はどちらかというと消えて欲しくない場面でちょいちょい消滅してしまうのですが、逆に、プログラミング言語はどちらかというと消えて欲しい場面でもしぶとく生き延びてしまうという対比について書きました。

プログラミングに関わる技術者はしばしば言語を作ります。そのため、新しい考え方の枠組みや、それらが失われるという話題がちょっと関心事だったりするのです。

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