快感回路と認知的不協和
タバコ販売のすごい技術

こんにちは。
今日は、タバコ販売が実に工夫されているなと
気付いた点についてお話します。

念のため、みんなでタバコを吸いましょうとか、
排除しましょうという類いのお話ではありません。
脳科学と心理学からみた、タバコという商品と商売に関して
気付いたことについてのお話です。

Step 1: ロックイン!!

我々人間にとどまらず、快感は
動物を目標に向かって突き動かす原動力です。
お腹がすけば食事で快感、眠いときに眠れば快感
という具合に、快感は動物が生き延びるために重要な感覚です。
脳の中にはまさに快感を司る快感回路があり
何かを成し遂げるための強烈な原動力になっています。

快感回路は原始的な衝動だけでなく、
夢を実現するためにどんな苦労もいとわないとか、
愛する人のことで頭がいっぱいで
その人のためなら何でもがんばれるとか、
人間らしい部分でもその力を発揮します。

その一方で、
破産するまでギャンブルが止まらないといった
ような、マイナスの作用もあります。

快感回路はあまりにも強力です。
ラットの脳に電極を取り付け、
自身の快感回路を刺激するボタンを与えると、
文字通り死ぬまでボタンを連打し続けます。

快感回路は生きるための重要な部位ですから、
理性的に簡単にコントロールできるものではありません。
特定の行動が快感に結びつけば、それを繰り返しやすくなります。

例えば、快感回路を刺激する麻薬を摂取すると、
麻薬依存になりやすいですが、
これは摂取した当人の意思とは殆ど関係ありません。
生理的な反応です。

快感回路を刺激して依存症リスクの高い麻薬として
ヘロインやコカインが挙げられます。
ヘロインを試した人の35%が依存症になります。
これを遥かに上回るのがタバコです。
タバコを試した人の80%が依存症になります。
タバコは摂取から快感回路の刺激までの時間が非常に短いため、
一般に知られるどの麻薬よりもずっと依存症になりやすいです。
依存症になるかどうかに、当人の意思は殆ど関係ありません。

つまり、単純に商品・商売としての側面だけを見ると、
人間の意思とは無関係に手に取った人の80%がリピータになる、
タバコはそういう商品だと言えます。

Step 2: このぶどうは甘いに違いない!!

すっぱいぶどうというイソップ寓話があります。

キツネが、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つける。食べようとして跳び上がるが、ぶどうはみな高い所にあり、届かない。何度跳んでも届かず、キツネは怒りと悔しさで、「どうせこんなぶどうは、すっぱくてまずいだろう。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去る。

もしぶどうが甘かったらどうでしょうか?
キツネの心の平穏が保たれません。
でも、すっぱければキツネは何も損していないし、
むしろすっぱい思いをしないですんで良かったと言えます。
実際にぶどうを口にいれるまでは、いずれの可能性もありますから、
ぶどうをすっぱいと決めつけてしまえば万事OKというわけです。

このように、ぶどうを食べたいが、手が届かないのような
相対する不快な認知を認知的不協和といいます。
快感が強烈な原動力であるのと同じく、
不快感はそれを回避するための強烈な原動力になります。

  1. がんばってぶどうを手に入れて快感を味わうか、
  2. ぶどうを食べたくないと思うか、
  3. ぶどうはすっぱいに決まっているので届かなくて良かったと思うか、

この場合、1と2は事実に反するので選べません。
そこで殆ど無意識に3番を採用するわけです。

恋愛によくみられる不思議な関係も認知的不協和の例です。
AさんはBさんに尽くしているけれど、
BさんはAさんに対してそれほどでもない…。
AさんからしたらBさんに自分と同じように尽くして欲しいかもしれません。
でも事実は変えられませんので、
そっけないBさんに自分がこれほど尽くしている以上、
Bさんは他のだれよりも魅力的であるということにします。

タバコ警告表示には病気で苦しんだり死にやすくなる旨が書かれています。
タバコのリピートが意思の力でどうこうできない以上、
認知的不協和の解消が行われます。
これだけのリスクを負ってまでリピートする以上、
タバコは非常にすばらしく、自分はそれが大好きに違いない
生理的な反応の積み重ねとして、無意識レベルでそう思う他ないわけです。
認知的不協和が大きいほど解消への圧力も高まります。
警告表示がヘビーになるほど、やめることが難しくなるという仕組みです。

快感回路 + 認知的不協和

快感回路と認知的不協和によって突き動かされたら
その思いや行動はますます強固になります。
脳科学と心理学の点からみると、
商品と販売の仕組みがとても
噛み合っていという見方があると思うのです。

おまけ

先の例では、認知的不協和の解消方法に特に面白みはありません。
まだ、事実が確定していない部分や
自分自身の感情にしわ寄せしただけだからです。

では、しわ寄せできないとどうなるでしょう?
ぶどうに届くための知恵を出すか、まったく別の考えをひねり出します。

例えば、カルロス・ゴーンが日産に就任した際、
日産ではデザイン本部と購買本部の本部長が兼務だったといいます。
良いデザインには人・モノ・金が掛かります。
購買本部にはコスト削減という責任があります。
相対するものを1人で統括することで、
迅速に折衷案でバランスをとれる反面、
画期的なアイデアは出にくくなります。
違った考え方を持ち寄って議論を行うことで、
そこからそれまでの考え方とは異なる
新しい考え方にまとまっていく
ことがあります。
そこでカルロス・ゴーンはリスクを負って別々の責任者を割当て、
新しい案が出やすくなるようにしたといいます。

認知的不協和から新しいアイデアを出すときには
感情のぶつけ合いにならないようにご注意を。

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